秀英体のコネタ
2005年12月22日
第14回 大正3年『活版見本帖 Type Specimens』から年賀状を作ろう!
今年も寒さが厳しくなってきました。年の瀬です。
そして年末年始といえば、年賀状を作る季節です。手紙をやりとりする機会のめっきり減った昨今、それでもやはり年賀状は気持ちをこめて、お世話になった方や遠くに住む方に送りたいものですよね。便利な年賀状作成ソフトを使ってパソコンで年賀状を作る方も多いと思います。そこで今回の秀英体のコネタは、一年間のご愛顧に感謝いたしまして、秀英舎・大日本印刷が誇る最大規模の見本帳、大正3年版『活版見本帖 Type Specimens』から、来年の干支である犬やその他お正月らしいおめでたい絵柄をピックアップ、みなさまの年賀状にぜひご利用ください。
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2006の干支、ワンコ集合
張り子の犬。そばにあるのは鞠と梅の花をかたどったデンデン太鼓です。
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むくむくの仔犬。最近街中にいるのはお洒落な犬ばかりで、こういう犬を見かけませんね……。
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扇子をくわえた仔犬。ぽちゃぽちゃしてておなかが地面につきそうです。しっぽがかわいすぎます。
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りりしい犬。この犬は最近描かれたようなおしゃれぶりです。上の犬とはずいぶん違います。
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ちょうちょと犬。短くカールしているしっぽにもご注目。
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仔犬たちがじゃれあっている様子ですが、じっと見ているとだんだん猫のようにも見えます……
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お正月らしいおめでたい絵柄
亀とお屠蘇。お屠蘇を飲むときは、東を向いて飲むそうです。
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梅に鶯。新春らしい絵柄といえばこれですよね。
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梅に鶯 その2。足元にあるのは水仙でしょうか。新春に咲くこの花は、中国では縁起物として欠かせません。
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伊勢海老。松葉のうえで跳ねています。長いひげが長寿を連想させるとして縁起のいい食べ物です。
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鏡餅。真中の人が広げる扇には下向きに飛ぶ鶴が描かれており、これはしあわせが降りてくるという縁起柄です。
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日の出。岩のバランスから、三重にある二見夫婦岩の絵だと思われます。
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大黒さま。梅の盆栽のうえに、豊作の神様・大黒天が座っています。扇は末広がりで縁起のいい柄です。
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門松。門松が出るとお正月という感じがしますよね。29日と31日を避けて飾ります。
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松の枝。雪の中でも緑をたたえるため、縁起のいい植物の代表です。
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鶴。いわずと知れた長寿のシンボルです。
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「あけましておめでとうございます」を秀英体で
そして! お正月のご挨拶を秀英体で組んでみてはいかがでしょうか。秀英初号・秀英四号・秀英細明朝体の3書体の画像をご用意しました。
若干太いかな、と思われるかもしれません。現在研究中のディスプレイ表示用書体を使っているためです。細い線がかすれにくくなっていますのでプリントゴッコなどの利用にもいかがでしょうか。
秀英4号
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秀英初号
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秀英細明朝
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昨年末の『秀英体研究』刊行にはじまり、2005年はたくさんのみなさまに秀英体を知っていただく年になりました。東京国際ブックフェアなど直接お話させて頂いたみなさま、各種セミナーでご聴講いただいたみなさま、様々なの出版物を通じて秀英体が知らず知らずお手元に届いているみなさまも、まことにありがとうございました。
今後とも、身近ながらあまり知られていない書体について、もっともっと興味を持っていただけるような情報作りに努めてまいります。来年は秀英体の新しい取組みについても、少しずつご紹介できることになりそうです。2006年も秀英体をよろしくお願い申し上げます。
よいお年を!
(2005.12.22 佐々木)