秀英体のコネタ
2014年3月28日
第34回 「DNPのフォトブック」でこだわりのフォトブックづくりをしませんか?
DNPのフォトブック
サービスの詳細は「DNPのフォトブック」のウェブサイトをお確かめください。
みなさんはフォトブックを作ったことはありますか?
最近、フォトブックを手軽に作成できるサービスがたくさんありますよね。DNPにも「ドリームページ」や「ドリームページ・プラス」などのフォトブック作成サービスがあるのをご存知でしょうか?実は、「ドリームページ」では秀英体フォントを使えるんですよ!
「ドリームページ」&「ドリームページ・プラス」でつくったフォトブックたち
秀英体もご縁のある「ドリームページ」&「ドリームページ・プラス」の特徴や作例について、DNPのフォトブックの広報を担当している、情報記録材事業部 事業推進本部 マーケティング室の犬束さんに、お話を聞いてきました。
DNPのフォトブック
――さっそくですが、DNPのフォトブック作成サービスにはどのようなものがあるか教えてください。
犬束:パソコンの専用アプリを使い自由に編集注文できるのが「ドリームページ・プラス」、 ウェブブラウザから手軽に編集注文できるのが「ドリームページ」
、
家電量販店などのセルフプリント機で短時間(最短5分)でフォトブックを作れる「プリントラッシュ フォトブック」
と3種類のサービスを提供しています。
これらを総称して「DNPのフォトブック」と呼んでます。昨年11月末にウェブサイトも公開しました。
大日本印刷グループのフォトブック作成サイト「DNPのフォトブック」
まとめて紹介したほうが分かりやすいよねというのと、社名とサービス内容のフォトブックを冠することで、お客様への信頼に訴求できるように、と思っています。
最高レベルの品質をお手頃価格で
――いまフォトブックのサービスってたくさんありますよね。比較サイトもあるみたいです。「ドリームページ」&「ドリームページ・プラス」(以下、あわせて「ドリペ」)のアピールポイントを教えてください。
犬束:「ドリペ」の品質は、今あるフォトブック作成サービスの中で最高レベルとの自負があります。また、価格は高品質なのにお手頃に抑えています。
――私も数回フォトブックを作成したことがありますが、「ドリペ」のプリント品質は以前より良くなっていますよね。
犬束:プリンターを高品質な「6色印刷」に変えて、「仕上がり(グロス、マット、ナチュラル)」を選べるように工夫しました。それ以外にも、お客様の要望やトレンドに併せて、カラープロファイル(写真のデータをどういった色合いでプリントするかの設定)は日々チューニングをしているんですよ。
6色印刷は、他社にも別料金で選べるところはあるのですが、「ドリペ」では4色印刷並みの価格のままで提供しています。
通常のカラー印刷は4色です。
6色は4色よりもクリアーで鮮やかな発色、滑らかな階調でプリントできます。
犬束:「仕上がり」を選択できる機能では、つやつやしたグロス、おちついた印象のマット、素朴な風合いのナチュラルから作品の仕上がりを選べます。こういった仕上げ加工を選べるのは「ドリペ」だけなんです!
マットとナチュラルが分かりにくいとみんなに言われるんですが・・・手触りが違ったり、マットは明るく白っぽく、ナチュラルは生成りのやさしい質感です。いま、紙のトレンドとして、ムック本などにもナチュラルな紙が使われています。こういった流行りの紙とか、印刷だけじゃなくて最終的な仕上げ加工まで選べるのが、「ドリペ」の特徴です。
左からグロス、マット、ナチュラル
マットとナチュラル、確かに画面越しだと区別がつきませんが、
紙の質感が違うので手元で見るとけっこう雰囲気が違います。
――せっかくの質感の違いが、画面越しでは伝わりにくいのがもったいないですね・・・
犬束:市谷のドットDNPなど関連施設で見ていただけるようにしています。直接見ていただける場は少ないのですが、ご希望の方には、サイトからお申込みいただいてサンプル(印刷見本)を無償で送付しています。ぜひサンプル請求をしてみてください!
カード状のサンプル。写真の色合いや用紙の質感を確認できます。(書体見本もついています!)
犬束:また、プリント方法は6色印刷のほかに、昇華型熱転写方式(写真プリント)の「フォトプレミアム」も提供しています。写真のセルフプリント機と同じ、写真品質の鮮やかな発色やツヤでプリントできます。標準のプリントよりは高価格ですが、特別なアルバムをお求めの方に使っていただいています。
サービスの詳細・価格などは「DNPのフォトブック」をお確かめください。
フォトブックの意外な使い方
――「ドリペ」ではどのようなテーマのフォトブックが作られていますか?
犬束:写真プリントと同じで、やはり、家族・子供・ウェディングをテーマとしたフォトブックが多いです。
家族やお子さんのフォトブックを作りたいお客様の多くは、家事に育児に忙しく、手軽に作りたいという方が多いので、より手軽にフォトブックを作れるように、「ドリームページ・プラス」には写真を自動でレイアウトする「簡単フォトブック」という商品メニューがあります。
それ以外では、趣味にフォトブックを活用されるお客様も増えてきています。写真が趣味の方だけでなく、レシピ本、ハンドメイド品のカタログ、画集、華道の作品集なども作られています。お祖母様の描いた水彩画をお孫さんがフォトブックにまとめて、お祖母様のお誕生日プレゼントにするという例もありました。
テキストもたっぷり入力できるので、レシピ本もつくれます。
――レシピ本や画集など、フォトブックという枠に収まらない使い方もアリなんですね。
犬束:詩集など写真よりも文字メインの作品もあります。もともと自費出版に興味のある方が、手軽に1冊から作れるということで、フォトブックを使われることもあるようです。
「ドリームページ」のウェブサイトに作品を公開できるギャラリーページがありますが、作品テーマとして「詩・エッセイ」というタグがあるんですよ。
――本当ですね!絵本や雑誌風の作品など、バラエティー豊かな作品があります。
犬束:ユニークな使い方としては、伝記みたいな作品を作られる方もけっこう居らっしゃいます。例えば、モチーフになる方の親族が、業績や経歴などを1冊にまとめるというものです。全国的には著名でなくても、地域や業界では知られている方について、周囲の方の記録に残したいという思いからまとめられるみたいで。パーソナルな歴史本というか、良い文化だと思います。レイアウトの自由度が高く、写真だけでなく文字も使える「ドリペ」ならではですね。
――お客様の発想で、意外な使い方もされるのが面白いですね。
犬束:以前、アート系の学生さんのフォトブックを展示するイベントを開催したことがありますが、若い人の発想や情熱的な作品はどれも面白かったです!
写真をプリントする機会が減っているイメージがあると思いますが、年配の方はプリントして記録に残す重要性を理解されていますし、若い方たちは逆に、プリントをする発想が無かったのが、プリントの面白さに気づき始めていて、今またプリントの良さが見直されてきていてます。
フォトブックは編集に手間がかかりますが、「作るのは時間がかかって大変だったけど良いものができた!」と思ってもらえるように、お客様に楽しんでもらうために、どう演出するか考えています。
「ドリペ」と秀英体
――ところで、ウェブブラウザ版の「ドリームページ」では秀英明朝と秀英丸ゴシックなどの書体を使えますが、お客様の反応はいかがですか。
犬束:一般のお客様で秀英体を知っている人はほとんど居らっしゃらないですよね(笑)それでも、ワークショップなどで「この書体いいですね」って感想をいただくことがあります。
実際の使われ方を集計しているわけではないのですが、ギャラリーページなどを見ていると秀英丸ゴシックは女性から人気のようです。優しさや柔らかさを表現するのに優れているのかなと思います。
――こういったサービスで選べる書体はゴシックか明朝の2択が多いので、丸ゴシックは珍しいのかもしれません。プロの印刷物と同じ書体を一般のお客様に使っていただけるという形で、秀英体も「ドリームページ」の品質向上に貢献できているのかなと思います。
秀英明朝:文芸書などプロの印刷物と同じ書体です!
秀英丸ゴシック:優しい雰囲気がお子さんやペットのフォトブックにぴったり
――昨年11月末にオープンした「DNPのフォトブック」「ドリームページプラス」のウェブサイトでは、秀英丸ゴシックのウェブフォントを全面的に使っていただいています。
ウェブフォントとは、ウェブサイトのテキスト表示に、インターネットからフォントを配信する技術です。従来、ウェブサイトのテキストはパソコンやスマフォなどにあらかじめ搭載されている標準的なフォントで表示するのが一般的でした。ウェブフォントを使うことで、印刷物と同じようにバラエティ豊かなフォントで表示できるようになります。今回の秀英丸ゴシックは株式会社リアルタイプのウェブフォント配信技術を用いています。
「DNPのフォトブック」のウェブサイト(ウェブフォントのON/OFFを比べる)
犬束:はじめウェブフォントという案が出てきた時は、SEO的なメリット(※)を考えていたんです。(※ウェブフォントを使うことで、タイトルなども画像を使わずテキストのままデザインができるので検索性が保てます)
「ドリームページ・プラス」は専用アプリをダウンロードしなくてはならないので、サービスの印象を明るく親しみやすい感じで演出したくて、ロゴの色も「ドリームページ」より明るい淡い水色にしています。それで、メインの書体をどうしようという時に、明るく柔らかいイメージで、DNPのフォントということもあるし、秀英丸ゴシックしかないでしょう!と決まりました。
――フォトブックの中だけでなく、ウェブサイトでも、秀英体がDNPのフォトブックのアピールに貢献できているのなら、嬉しい限りです。たくさんの興味深いお話をありがとうございました!
最後に秀英体開発室が作ったフォトブックをご紹介します。活版印刷の現場の写真集『秀英体今昔』と、2010年の展覧会の記録『「秀英体100」設営日誌』です。(もちろん使用書体は秀英明朝!)
春は何かと写真を撮る機会も多いですよね。そういった写真を楽しみながら、皆さんもオリジナルのフォトブックを作ってみませんか?
(2014.3.28 高橋)