秀英体のコネタ
2013年10月18日
第33回 武田厚志さん(SOUVENIR DESIGN)にインタビューしてきました!
書体:
秀英角ゴシック金 L/B
秀英角ゴシック銀 L/B
秀英丸ゴシック L/B
フォーマット:OpenType
文字セット:Std(Adobe-Japan1-3)
提供方法:MORISAWA PASSPORT、MORISAWA Font Select Pack
かなりひさびさのコネタです。
平成の大改刻から、新しい書体として秀英体の仲間入りをした「秀英角ゴシック金/銀」と「秀英丸ゴシック」。2012年秋にモリサワから発売してはやいもので1年が経とうとしています。
今回の秀英体のコネタは、祝!「秀英角ゴシック金/銀」
&「秀英丸ゴシック」1周年記念として、新書体をご愛用いただいた書籍と、そのデザインを担当された武田厚志さん(SOUVENIR DESIGN)
のインタビューをお届けします。
秀英体をより魅力的なファミリーにするべく、あたらしく開発した「秀英角ゴシック金/銀」 と「秀英丸ゴシック」でしたが、「秀英体といえば明朝!」というイメージを持たれている方も多いのが現実です。なるべく多くの方のご期待に添えるよう進めた新書体の開発でしたが、企画の段階から、書体制作、販売に至るまで、そして発売した今もなお、これまでの秀英明朝や秀英初号明朝のようにご支持いただけているかどうか、期待と不安でいっぱいでした。
そんなある日のこと。本屋さんに行くと、棚から目線を感じて1冊の本を手にとりました。 それがこの「レオ・レオーニ 希望の絵本をつくる人」(美術出版社)です。
目線を送ってくれたのは、表紙にいる「フレデリック」!…だけではありませんでした。「秀英角ゴシック銀」と「秀英丸ゴシック」も可愛らしい表紙の中で立派にタイトルをお届けしているではないですか…。
本を開くと、「秀英角ゴシック金」も活躍している様子。
これほどまでに秀英角ゴシック、秀英丸ゴシックを使っていただいている本との遭遇は、この時が初めてでした。(あまりの感激に、即購入したのは言うまでもありません。)
その直後、ラッキーなことに、この本のデザインを手がけられたデザイナーの武田厚志さん(SOUVENIR DESIGN)にインタビューさせていただく機会にも恵まれました。
ここからは、武田さんからいただいたお話をご紹介します。
――「秀英角ゴシック金/銀」「秀英丸ゴシック」を使われたご感想をお願いします。
武田:普段はあまり丸ゴと角ゴを同じ紙面に使うことはないのですが、「レオ・レオーニ 希望の絵本をつくる人」は、絵本がテーマということもあって、「秀英角ゴシック金」と「秀英丸ゴシック」で組んだ時に、どちらも骨格が似ているので、違和感が無く使えるのではと思いました。
――それぞれにどのような印象をお持ちでしょうか?
武田:「秀英角ゴシック金/銀」も「秀英丸ゴシック」も1文字1文字をじっくり見ると癖を感じるけれど、組んでみるとその癖が自然と消えて、しっくりくる印象ですね。読みやすさも出しつつ、味のある紙面にしたい時に使うことが多いです。
――「秀英角ゴシック金」と「秀英角ゴシック銀」を比較するとどうでしょうか?
武田:「秀英角ゴシック銀」は、1文字1文字に表情があるのですが、組んでみるとそれほど主張しない感じがします。「秀英角ゴシック金」は、「銀」よりもクセがなくてかわいい印象がしました。
――ウエイトや従属欧文(日本語書体にセットされている欧文のこと)などの面での使い勝手はいかがでしたか?
武田:「秀英丸ゴシック」は、今あるLとBのふたつのウエイトもなかなか使いやすいのですが、絵本等に使用するなら、もう少し太めのウエイトがあってもよいのではと思いました。「秀英角ゴシック」は、Lだと少し細いと感じることもあるので、LとBの間のウエイトもあるといいですね。
欧文について、普段は別の欧文書体を指定することがほとんどですが、秀英は角ゴも丸ゴも従属欧文が和文とマッチしているので、そのまま使うことが多いです。そこも、気に入っているポイントです。
インタビューの中で、「レオ・レオーニ 希望の絵本をつくる人」の他にも、秀英体をご利用いただいた書籍を2冊、紹介いただきました。
「オシャレ写真の撮り方レッスン帳」(玄光社)

「オシャレ写真の撮り方レッスン帳」(玄光社)
「実践Fabプロジェクトノート」(グラフィック社)

「実践Fabプロジェクトノート」(グラフィック社)

タイトルと本文に「秀英角ゴシック金」、キャプションに「秀英角ゴシック銀」を使用しています。
『ものづくり』がテーマの書籍でしたので、工業製品の中のてづくり感を演出したくて「秀英角ゴシック」を使用しました。
お忙しいところ、快くインタビューを引き受けてくださった武田さん、ありがとうございました。
人の想いを言葉や文章にしたとき、その表情を左右するもののひとつに書体があります。 これから先、「秀英角ゴシック金/銀」と「秀英丸ゴシック」が秀英体ファミリーとして、 秀英明朝や秀英初号明朝同様、みなさまの想いを伝える書体として末永くご愛顧いただけますように! どうぞよろしくお願いいたします。
次回のコネタでは「秀英明朝」「秀英初号明朝」について、インタビューをお届けします。おたのしみに!
(2013.10.18 伊藤・宮田)

